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「病理診断科」は平成20年に診療標榜科として開設できるようになりました。当院でも、平成26年9月より「病理診断科」を標榜し、外来に「病理外来」を設けることにいたしました。これにより直接患者さんに病理診断を説明いたします。
近年、医学のめざましい進歩により、疾病の分類も多岐にわたっていく中で、患者さんが診断された疾患の内容を深く知りたいという要望が多くなっているので、これに応えて、患者さんに診断された病気について説明できるようになりました。
患者さんが適切な治療を受けるには正しい診断にもとづいてなされなければなりません。主治医は外観の観察、CT検査、血液検査等を駆使して正しい診断を得て治療を施します。この時、「病理診断」は最終診断として適切な治療に役立てられます。
病理診断とは、患者さんの病変部位から採取した細胞や組織がどんな状態にあって、どんな病気であるかを、顕微鏡を使って明らかにすることです。
このように採取された組織や細胞を直接目で変化を観察して病気の成り立ちを明らかにしますので「病理診断」は最終診断ということになり、主治医に報告されて適切な治療に役立てられます。
病理診断には細胞診断、組織診断、手術中の迅速診断、病理解剖があります。病理解剖は、適切な診断と治療がなされていたかを明確にし、死因を確認します。こうして得た多くの知見が、知識として蓄積されて、医学の進歩に貢献してきました。
診断する対象は以下のようです。
・細胞診断:乳腺、甲状腺、子宮、喀痰、胸水、腹水、胆汁、膵液、尿、その他の部位の穿刺吸引材料などで得た細胞が癌であるかどうかを診断します。
・生検組織診断:胃、大腸、肺、子宮、乳腺、前立腺、皮膚などの病巣から得た小組織が癌か、炎症か、その他どのような変化をしめしているかを明らかにします。
・手術摘出組織、臓器の組織診断:食道癌、胃癌、大腸癌、肺癌、子宮癌、卵巣癌、肝臓癌、胆嚢癌、膵臓癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、甲状腺癌、脳腫瘍、炎症などで摘出した組織がどのような性状を示しているかを明らかにします。
・手術中の迅速診断:手術中に、組織の一部を切除して病理診断を行います。摘出すべき病巣が確実に摘出されているか、病巣がどんな病変であるか、リンパ節に癌の転移があるか、などを確認します。
・病理解剖:ご遺族の了承をえて、ご遺体を解剖して、生前に適切な診断のもとに適切な治療がなされたか、死因はなにか、を確認し、今後の診断と治療に役立てます。
以下に、細胞診と組織診断の例を示します。われわれは、このような異常な細胞を認めて、癌と診断します。
子宮頚部の細胞診でみとめられた子宮頸癌例
乳腺細胞診で発見された乳癌
摘出された乳癌の組織像
役職・氏名・卒業年 | 認定資格・専門分野等 |
臨床検査室長 笹生 俊一 さそう しゅんいち 昭和43年卒、 昭和47年大学院卒 |
日本病理学会病理専門医研修指導医 日本臨床細胞診学会認定細胞診教育研修指導医 日本病理学会認定病理専門医 日本臨床細胞学会認定細胞診専門医 日本臨床検査医学会認定臨床検査管理医 |
月曜日
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火曜日
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水曜日
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木曜日
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金曜日
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(午後診療)
笹 生 |